文化の薫り

 先日、仕事で浜松地域の異なる分野の方々とお話をする機会がありました。その時、偶然にも、以下のように同じキーワードが出てきて興味深く感じました。

 お茶農家さん 「静岡は、全国随一のお茶処だけど、お茶を楽しむ文化が無いね。」

 北遠に住む方 「この地域には多くの森林はあるけど、民芸品を作るとか木を使った文化が無いんだ。」

 大学の先生 「ものづくりの街なんだけど、ものを作って楽しむ文化が無いなぁ。」

 お分かりですね。そうです、この地域には「文化が無い」ということです。

 浜松地域は、ヤマハやスズキ、ヤマハ発動機など多くの企業が生まれた「ものづくり地域」であり、また、日本有数の「農業地域」でもあります。さらに、温暖な気候、恵まれた交通条件、そして、東京や大阪の中間に位置する地理条件と、好条件が揃った地域といえます。その中で、物足りなさを感じるのが、この「文化」というわけです。

 「文化」とは何かと問えば、様々な回答が返ってきそうですが、私なり考えると“人間にしか創りえないもの”であり、“多くの人々が長年関わって築き上げるもの”であると捉えます。そして、「文化」は、その地域を反映する“鏡”であるといえます。それ故、産業が衰退したり、取り囲む環境が変化したとしても「文化」は生き残っていくものではないでしょうか。

 少子化や産業の成熟化など時代潮流の中、地域間競争も既に始まっているといえます。各市町は「シティプロモーション」と銘打って様々なPR活動を進めています。浜松地域も地域としての魅力を高めていくためには、「文化の薫り」を織り交ぜる、地域資源に、そこに住む人たちの「思い」「工夫」というエッセンスを加え、そして、地域で盛り上げていく。このような活動を積極的に繰り返し、「ものづくり都市・地域」から「文化の薫りに包まれたものづくり都市・地域」へと発展していくことを望みたいです。


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