営業を通じて実に様々な企業を訪問させていただいています。よい面、悪い面、強弱含めて個性的な考え方や見方、感じ方に触れることがあります。たまにしか訪問しない私がそう感じ取れるほどですから、いかに組織の多くのメンバーに深く浸透し、共有され、そして受け入れられているかということでしょう。そういったことを感じる度に、ごく自然に組織文化という言葉が頭に浮かびます。あるいは、組織風土や社風といわれるものと本質的に同じと考えてよいものかもしれません。
少し抽象的な話になりますが、組織文化の中心的な部分は組織の多くの人に共有されているものの考え方、見方ではないでしょうか。もっと強調すれば、何が大切で、何がよりそうでないかといった組織の価値観ともいえるものかもしれません。こういった価値観はもう一方でわが社はどんな会社なのか、顧客は何を欲しているか、働く人は何を求めているかなど多くの前提から企業が経営理念の中にもっている世界観や信念を支持し、また理念によって支持されているように思います。お互いに強化しあうことで組織文化をなしている、組織文化とは価値観と理念、この間に隙間や齟齬があれば定着しないのではないでしょうか。
先に抽象的な話になりますと前述しましたが、価値観、理念のもつ抽象性は融通が利くがゆえに仮に環境が変化したとしても人々に一定の安定感を与えてくれます。しかしその反面どのようにも解釈できてしまう、だから共通の指針とはなりにくいという限界をも感じます。組織文化の中心部分に価値観、理念があるとしても、より具体的に組織の人々にわかりやすくなっているものがないと困るのではないでしょうか。組織の中で熟考され時間をかけてつくられてきたルールがその役割を果たしていると言ってよいと思います。さまざまな状況でどう行動すべきかについての暗黙を含めたルールは価値観や理念のより具体的な表現であると思います。特に暗黙のルールは人々の価値観、理念との間に隙間がないからこそ定着していると言えるのではないでしょうか。
組織の価値観もルールも経営理念に対応している、もちろん経営者が組織に共有される価値観やルールのすべてを決めているということではありません。しかし経営者が提唱する理念は人々の価値観に反映されてはじめて組織のなかで機能し、そして熟考され組織として意味のあるルールができあがっていくのではないでしょうか。経営者の理念と人々の間にギャップができたとき、経営理念は組織としては機能しないのではと思います。実際にさまざまな仕事の大半をするのは経営者ではなく働く人々だからです。だからこそ理念が多くの人々に受け入れられ組織文化として定着し、長年にわたり伝承されつづけている企業に触れたときは身に染みてその英知、伝統を感じ、ときには正義をも感じてしまうのでしょう、私は営業を通じて数多くの勉強をさせてもらっています。これからもよい出会いがあることを期待してやみません。
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