お客様本位の応対







 私は上着を購入する時、ほとんど袖丈が長すぎるので丈上げ修理を依頼します。時には修理が面倒なのか、袖が長いのは最近の流行だと説明してきます。私はペンギンのような長い袖は大嫌いだから納得しません。納得しない反応を示すのです。しかし、売り手は引くことをしません。それどころか追い打ちをかけるように「お客さま、全く気になさることはございません。私もこれくらいの長さは平気で着ておりますよ」などと、見事に売り手本位で迫ってきます。どうして買い手のこだわりを受容できないのでしょう。

 今から20数年前、コンサルティングセールスの基礎になる『理想のアプローチ』を知りました。『理想のアプローチ』とは、「お客さまが、頭の中で心の中で思っていらっしゃることを、販売員が言葉に替えて言い当てることです。言い当てることにより、お客さまとの間に共感が生まれ、販売が成立するのです」というものです。

 思っていることを言い当てるなんて、と反論したくなりますが、秘訣はじっくり相手を観察すること、傾聴することです。相手の表情・わずかな視線の動き・ボディーランゲージ・声音の変化など、予想以上に相手は心の内を示していることが多いのです。それをしっかり受け止めて、次の言動に反映させるのがプロの応対といえるのではないでしょうか。

 この「理想のアプローチ」をセールスの場面だけではなく、役所の窓口や医療機関の受付など、あらゆる応対場面で応用していただきたいものです。


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