平成17年7月、浜松市を中心とした天竜川・浜名湖地域の12市町村による合併により新浜松市が誕生した。人口が約80万人、面積は岐阜県高山市に次ぐ全国で2番目の広さという大規模都市へと拡大した。そして、平成19年4月の政令指定都市への移行を目指した取組みが着々と進められている。
この新浜松市ではあらゆる特長や課題を持っているが、その中で注目したい点として「地域間格差」を挙げたい。今回、約60万の人口を有する浜松市から1,000人超程度の龍山村まで、人口比較で600倍もの違いをもつ市町村が合併した。また、各市町村が従来から持つ特徴も大きく異なる。中核市であり静岡県内でも工業生産額がトップの浜松市、林業の町である春野町、水窪町、龍山村、漁業の町である舞阪町、みかんの町である三ケ日町など、異なる性質の市町村が合併した。そして、「クラスター型都市」として、ぶどうの房のように各地域の特徴を生かしつつ1つの都市を成り立たせる日本でも例をみない都市づくりに挑戦している。
ここには、様々な課題が存在している。一言で「クラスター型」とはいうものの、果たして中心部と山間部の市民のどちらにも豊かな生活が送られる政策をとっていけるのだろうか。特に、山間部の市民の暮らしが改善されるのではなく、むしろ悪化していくことはないだろうかという不安が横切る。
新浜松市は、東海道新幹線や東名高速道路、国道一号線など日本の大動脈が走り、また、浜名湖、天竜川、遠州灘、そして広大な山地と自然には事欠かない環境を手に入れた。一方で、中心市街地の衰退と近郊への大型店舗の進出、交通渋滞、農林水産業の後継者難、工場の撤退、山間部の過疎化など、日本国内で抱える課題が集約している。「ミニ日本」といっても過言ではないであろう。
今後、浜松市が、クラスター型都市を目指す中で全地域の市民に平等の行政サービスを提供できることができるような施策や取組みが必要になってくるといえる。その中で、各地域の個性が活きたまちづくりが実現できれば、国が模倣するような都市へと成長するかもしれない。
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