社長のコラム

第20回 「ISOは、ちょっと足りないくらいが丁度良い」 (2002年10月)

 審査に行ったり、ISO9001:2000への移行の相談を受けたりして感じることは、ISOの要求に対してやり過ぎているところがあまりに多いことです。下記にどのようなやり方でISOを構築し、その成果を表にまとめてみました。

効果大

被害大
@経営システムとISO9001が一致したシステム
A現状の業務+仕組みの改善を行なってISO9001構築した
B現状の業務でISO9001構築した
CISO9001要求事項に沿って忠実にISO9001構築した
DISO9001要求事項に沿って厳格(やりすぎて)にISO9001構築した

@めったにお目に掛かれないのですが、非常に優れたマネジメントシステムを構築されているケースです。弊社でコンサルティングをした顧客様でも2社程度ではないかと思います。現在ある経営の仕組みをISO9001のシステムで補完しているケースです。参考図の添付しました。

A私達のコンサルティングでは、この段階以上のシステム構築を目指しますが、Aは現在の業務で問題・ムダ等が発生していることを改善すると共に顧客から見て問題のあるところを合わせて改善していく構築方法です。

 ほとんどの企業はこのようなことを目指してISOを構築するはずですが、だいたいはISO9001の要求事項に振り回されてこの目的を果たすことが出来ません。

 私は、あまりISOを表に出さずコンサルティングをしていたら、あるお客様からこのようなことを言われたことがあります。

 「ISOの認証活動を行なっているはずなのにISOは何処にいったのですか」と,私は「これがISOにつながっていますよ」と答えましたが、そのくらいISOの審査が気になるものです。この活動を行う場合、活動の結果がISOの認証になっていくということが大切だと思います。

Bこのケースは、運用もしやすいでしょうし、非常にシンプルで良いと思います。目的が、責任と権限を明確にしたい場合には良いと思います。

C実際の業務とISO9001で決めたルールが一致しないこともあり、審査のためのシステムと言えます。ただ、Dに比べて軽いシステムになっていますので審査費用がペイできないシステムと言えます。

 愚痴になってしまいますが、ISOのコンサルタントを選ぶ場合に当初の費用しか頭にない方が多くいますが、ISOで外に出ていく費用で最大のものは、審査費用です。このようなことを考えて本当に効果を生むコンサルティングを行なってくれるのか、経営に役立つ審査をしてくれるのか慎重にコンサルタント及び審査機関を選定されることが重要なことだと思います。

Dこれは、審査費用+余分な管理工数が掛かっているケースです。このようなケースでは、実際ISOのシステムでは運用されずに、審査間近になって準備していたり、やらなくても良いことを一生懸命やっていることが多いものです。

 ただ、このようなISOのシステムを構築されてしまった場合、継続的改善によってシステムが良くなってくるということもほとんどないと思って良いと思います。ボタンを掛け違えた場合、はずしてからもう一度掛けていきますよね。

 それと同様こんなISOをやっている場合には多少お金がかかるかもしれませんが、能力の高いコンサルタントに来ていただいてシステムを再構築した方が、結果安いと思われます。でも、このようなことにはお金は掛けませんよね。とても不思議だと思います。

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