社長のコラム

第19回 「今こそ原点を見直そう」 (2002年11月)

 日本ハムの輸入牛肉詰め替え事件が世の中を賑わせています。すでに何社かの詰め替えが発覚し、ついに業界最王手の日本ハムまでがと、この業界のどの会社を信じれば良いか教えていただきたいと感ずる方が多いと思います。また、狂牛病の発生や中国野菜の残留農薬問題等食の安全性に不安をもっている中で次々とこのような事件が起こり、このような事をする会社では何を食べさせられているのか怒りにも似た不安がよぎります。

 私が考えますところ、食品会社の使命のコアには、食の安全が入っていると思います。その次には、おいしい物を提供する事だと思います。コアを達成するためには、各社衛生管理を徹底して食の安全を保障していると思います。ただ、上記のような行為をする会社がこのコアの行為をしっかりと行なっていると思われるでしょうか?幹部が上記のような近視眼的行為をしてしまう、何が根本的な問題的なのでしょうか?会社が大きくなって、信用・顧客よりも利益優先、アメリカのエンロンの例もありますが、何か大切なものを忘れていませんかと言いたくなります。

 日本ハムのホームページを見ると「もっと、ゆたかに、もっと、よろこびを」と言う言葉が目に付きました。設立が昭和24年ですのでやっと食も安定しはじめた頃だと思います。その頃のキャッチフレーズだとは思いませんが、創業の頃の想いが窺えます。このような会社が存在している価値、使命があまりにも軽視されているのではないかと近頃感じます。

 儲かれば何をやってもいい(儲からなくても良いと言う事ではない)という無責任な考えが横行しているので、会社の個性がなくなりつつあるような気がします。京セラでは、アメーバシステムという経営手法を使って高収益型の企業を作り出していますが、原価低減・原価把握のためにアメーバシステムだけを導入しようとする会社があります。

 私は、まず成功しないと考えます。なぜならば、私が尊敬する稲盛氏の精神である京セラ11か条を合わせ持たなければ成り立たないシステムになっていると思うからです。企業は、ゴーイングコンサーンを果たしていかなければなりません。そのためには、利益を創造していく事は非常に大切だと思います。ただ、会社にも持って生まれた個性を活かし、存在価値を示して経営していくことも大切だと考えます。一度自社の原点を見直すことをお勧めいたします。

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