第14回 「ISO認証活動を成功させる秘訣」 (2002年3月)
私が同じようにコンサルティングを進めても効果ある活動を行うお客様とあっぷあっぷの活動になって結果的に認証するだけに終わってしまうお客様があります。どこにその違いがあるのか考えてみましたので今後ISOを認証しようとする企業様はぜひ参考にしていただきたいと思います。
一つ目は、社長の姿勢です。
ISOは、QC活動のようなボトムアップではなくトップダウンの仕組みです。また、ISO9001:2000からは品質マネジメントシステムとマネジメントの概念が強く現れています。このような仕組みを構築していくのですから、トップマネジメントが関与しなければならないと感じていただけると思います。
特に、どのようなことに関与していただきたいかというと以下の点についてです。
@ISOを認証する目的を明確にする
A改善したい点を明確にする:事務局に活動の焦点を絞らせる
B中期ビジョン、中期計画及び単年度の目標及び方針を明確にし、ISOとリンクさせる
C活動の進捗状況をフォローアップする
DISO認証の重要性を繰り返し社員に伝達する
などです。
この仕組みが構築され、実行されることで一番メリットがあるのは社長です。ISOを道具として使っていかなければなりません。使い勝手の良い道具にするには社長が積極的に関与し、構築の方針を明確にして活動状況の舵取りを行なうことが成功の秘訣となります。
二つ目は、どのような組織で進めるのか
どのような組織で進めるかで、まず大切な事は、推進する最高責任者がリーダーシップがあるのかという点です。中堅の会社組織で品質保証課とか品質管理課とかがあり、まだ部までにはなっていないようなところがあります。
その場合、品質保証上はその組織の課長さんということでその方が推進責任者に任命されます。この方がリーダーシップを発揮できれば問題ありませんが、私の経験では、品質保証の組織は会社ではどちらかというと嫌われ者ですし、古株の部長さん等をうまく動かせる方が少ないように思えます。品質保証としての知識やISOの知識はなくても心配ありませんので会社のNo.2の方を責任者にするのがベターだと思います。
また、私の経験では事務局数名で進めた会社と各部署から推進委員を選定してこの推進委員もコンサルティングの場に出席していただいた会社では、大きな違いがあることに気付きました。どちらかと言えば明白だと思いますが、推進委員も出席していただいた会社です。
なぜかと言えば、ひとつには当事者意識が生まれるということで、もう一つは一階層(コンサルタント→事務局→推進委員→一般社員のようなことを階層と言っている)多くなることにより進め方の意思が上手く伝わらないためです。特に、後者を私はこのように考えます。
意思は、一階層経ると一番上手く伝わっても60%であり、次ぎの階層に行けば36%になってしまうと考えます。実際には、30〜40%であるために2階層経ると9%〜16%前後しか伝わらないと思います。
この考え方は、経営にも当てはまりますので考えて欲しいところです。組織を作るときにやたらに階層を増やすと社長の意思が伝わらない。社長が一回言っただけでは社内的にはほとんど理解していない(つまり、くどいくらいが丁度良いくらいと言えます)。
三つ目は、どのような点を改善しようとする方針があるか
社長のところでも書きましたが、ISOをどのように使うかが一番の問題です。このようなことがなければISO要求事項に自社のシステムを当てはめてしまうというような逆転現象が起こりますし、うまくいっても現状をシステム化したに過ぎません。
社長さんだけでなく、部長等の幹部も一緒にどのような点を変えていかなければならないかをじっくりと検討し、システムの構築段階でそのことを盛り込むことが必要です。そのようなものを盛り込んでは審査の時に問題になると考えるかもしれませんが、これも本末転倒です。システム設計をして構築したものを第三者を使いながら定着していくことが重要と考えます。
四つ目は、まずはやってみるかの姿勢
決めたものをまずはやってみることが大切です。机上でどうのこうの言う前にまずは実行して、問題点があれば改善をしていくという姿勢が大切です。実行をしたくない人はなんだかんだと文句を言うものです。推進責任者はまずはやらせてみてください。
余談になりますが、実践してきた人と単に勉強で学んだだけの人では説得力に格段の違いがあります。まずは、実行これが大切です。言い訳は聞かないこと、そのためには責任者になった人は自分の責任は、きっちりと果たすことですね。
五つ目は、コンサルタントの使い方
効果ある活動を行なう会社は、コンサルタントも審査員も上手く活用しています。コンサルタントに言われたことをやっとこせこなしているのではコンサルタントを活用しようとしてもできるものではありません。自分の進捗を十分管理することで余裕を作り、その余力でどのように活用していこうかと考えてください。そして、やっていただきたいと思うことをコンサルタントに伝えることです。それは、契約にはありませんというコンサルタントでしたら早めに変えることですね。
|