第2回 (2000年10月)
近頃、あるクライアント様で予備審査が行われました。当所では私の所属する国内の審査登録機関と外資系の審査登録機関をつかわさせて頂いております。そのクライアント様では、諸事情で外資系の審査登録機関に審査を依頼することになり予備審査を迎えることになりました。そのクライアント様では事務局を中心として熱心に活動をしており、一応審査員をやっている自分の目から見ても多少の指摘は受けるものの無事審査を終わるものと予想していました。
当日は、当所のコンサルタントが立ち会っていましたが、帰ってきて報告を聞くと「品質マニュアルを中心に審査を行い、品質マニュアルにすべての要求事項が記述されているか、細部にわたって規定への引用がされていないので多くの指摘を受けた、また社長様もISO推進責任者の方も審査がおかしいと感じていたようだが審査員の心象を悪くすると何を指摘されるかわからないのでだまっていたようだ」ということでした。またISO推進責任者の方がもう一度予備審査を依頼したということもわかりました。今回は品質マニュアル中心の審査でこれくらい解釈の違いが出たのですから、現場に行けばどのような指摘を受けるではないかと不安になったISO推進責任者の方のお気持ちは痛いほど分かります。
そこで当所としてクレームをつける事とし、親しくしている審査登録機関の審査責任者に審査の仕方と指摘内容を連絡しました。審査責任者の方がすばやく対応してくれたため再予備審査をしない件や指摘の不備はクライアント様に伝わりましたので従来の予定通りに審査を進める事になり一件落着しました。
ISOの審査においてこのような事は、氷山の一角で多くの事例が発生しているのではないかと予想されます。ISOの理念では、受審企業と審査登録機関は平等の立場にいるわけです。むしろ審査登録機関は、受審企業が顧客であるわけで顧客に立場を理解して、顧客に役立つ審査をする必要があるはずです。ですから、審査に不信を感じた場合、受審企業はだまっていないではっきりと物申す事が大切です。
ISOでは、いろいろな申し立ての方法が用意されています。過大な指摘のため非常の大きな負担(コストアップにつながり、有効性の低いこと)を強いられる事は愚の骨頂です。ISO認証企業がISOをより有効な手段として活用されます事をお祈りするとともに自分自身の教訓として肝に命じていきたいと思います。
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