ISO9001
社長の使命

    【社長の使命】

  • 社長によって決まるISO9001品質マネジメントシステム

 審査で多くの企業様を訪問する機会がありますが、ISO9001品質マネジメントシステムがうまく機能している企業様はあまりお目に掛かれません。特に、マネジメントレビューが効果的に実施されているところは少なく、形骸化したイベントに過ぎないものになっています。

 ISO9001品質マネジメントシステムが上手く機能していくためには、ISOが求めているようにトップダウンである必要があります。今回は、社長がどのように関与していくことが必要かをISO9001品質マネジメントシステム構築段階と実践段階に分けて意見を述べたいと思います。

 まず、ISO9001品質マネジメントシステム構築段階についてです。社内の大枠的な仕組み、自社の強み及び弱みを一番理解しているのは社長だと思います。その社長が、ISO9001を認証するための目的で品質に関係する部門の責任者に構築を任せても良いのでしょうか?社長が見えている視点と品質に関係する部門の責任者が見ている視点は大きく異なると思います。

 当然、社長は、社内の誰よりも遠い我社の未来を多面的に広く見ているはずです。下の図のように山の頂上からみる風景と山の五合目から見る風景とは異なるはずです。だからこそ品質に関係する部門の責任者にだけ任せたシステムは、単にISO9001の要求項目に沿った、効果の薄いものとなってしまいます。

 具体的にどのように社長は関与すれば良いかというと、お客様から見て我社にシステムを改善すべきこと、今のシステムをより強化するために必要なこと及びムダが発生しているような弱い点についてはシステムを構築する時に盛り込むように指示・命令することです。また、できあがった品質マニュアルや規定等をしっかりと把握してご自分が描いているシステムと一致しているか確認することが重要です。

 次に、 ISO9001品質マネジメントシステム実践段階で最も大切なことは、やはりマネジメントレビューを効果的に行うことです。ISO9001で要求しているマネジメントレビューは、最も分かりにくい要求事項ですのでたとえを使って説明します。

 健康診断を受けていると考えてください。健康診断では、身長、体重、血圧、血液検査、レントゲン、尿検査等多くの項目がチェックされます。そして、診断結果が報告されてきます。例えば、太り過ぎで血圧が高い場合には、「もっとやせなさい」とか、糖尿病の気がある場合には、「カロリーを考えた食事をとってください」とか、「再検査が必要です」とか言われます。この場合、診断項目は、マネジメントレビューのインプット項目、診断するのは、身体が品質マネジメントシステム(つまり我社そのもの)、診断結果は、マネジメントレビューで言えばアウトプットに当たります。

 つまり、我社全体のシステムが健康体であるのかどうかを確認することがマネジメントレビューということになります。インプット項目は、社長が健康体であるかどうかを判断できる情報ですので売上高・利益あるいは新製品の売り行きなども必要かもしれません。そのような情報を総合的に判断して、我社にシステムで改善すべきことは何かを把握して、その改善の指示を出すことが本当のマネジメントレビューだと考えます。

 ISO9001品質マネジメントシステムは、社長の道具ですので上手く活用していくことは使う本人の問題といえます。ISO9001品質マネジメントシステムを上手く活用して利益が上がり、社会貢献していける企業になっていただくことは私の切実な願いです。


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