少し暴論かも知れないが、食品の加工製造とは「食材に対する水分の出し入れである」と思うことがある。現場では食材に対し煮炊き、焼き、冷却、乾燥、加水等の操作を行なうが、これらは全て水分の変化を伴う加工と言える。(凍結や解凍も水様態が変化している)
従って、食材に加えられる水も食品の一部でなければならないし、食材から取出された水分は、旨み成分として別利用されるものを除き、不要のものは速やかに工場外に排出する必要がある。すなわち、給水、排水の両側面から衛生対策が求められることになり、水の管理は、HACCPの中で重要なGMP(=適正製造基準)要素を構成している。
工場で時々見かけることだが、上水動線と下水動線が交差、近接している現場がある。もちろん、上水は金属や丈夫な樹脂配管中を流れているので、下水との接触は理論的に起こり得ない。また、建屋や加工設備の新築、新装の時は、上水から下水に至る動線を「上から下に」かつ「左から右に直線的一筆書式に」設置しているので、物理的にも上下水が接触するはずはない。ところが…である。上水配管が僅かに腐食したり損傷し、工場管理の拙さも手伝って、そのまま放置されていることがある。また、俄かには信じられないことだが、レイアウトを変更する際、工場従業員が排水溝の中に上水配管を通すといった実例も存在する。建設業者や設備業者の方々には、一旦納めた施設や設備の点検や修理を工場から依頼された際は、併せて、現様の確認と不具合の指摘をお願いできればと思う次第である。
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