地域の農産物認証制度〜安心・安全な食品とは何か〜

【農産物認証制度運用にあたっての問題】

 すでに多くに自治体が農産物認証制度を検討、実施して各自治体のブランドの確立を図っていますが、運用にあたって考えられる問題や課題を考察するために、すでに実施されているJAS農産物や特別栽培農産物及びその認証制度に関する調査結果の一部をみていきます。

 某県での調査では、有機JAS農産物について8割の人が知っているものの、その認証マークを知っている人はわずか2割のみという結果がでました。また、特別栽培農産物については、知っているという回答は2割ほどしかなく、認証マークにいたってはわずか1割の認知度となり、県で行っている特別栽培農産物認証制度についても、知っている人は1割程度という結果がでました。回答者の7割が非農家ということを考慮してもこの認知度は低く、特に特別栽培農産物及びその認証制度について、あまり知られていないという現状が浮き彫りになっています。

 食料品売り場で約8以上の人が有機JAS農産物や特別栽培農産物を目にするものの、それらを優先して買うという人は2割程度と低く、この理由として”価格が高い”、”品揃えが少ない”、”価値を感じない”といった回答が目立ちました。

 消費者の食の安全・安心に対する関心の高まりや健康志向を受けて、農薬と化学肥料を使用しない又は使用量を減らした農産物やその加工品の生産・販売活動が広がりを見せています。しかし、これらを生産するにあたっては、例えば農産物の場合、農薬の使用を減らすことによって病害虫の駆除を手作業で行うといった苦労が伴いますし、加工品については、専用の施設が必要となる場合などもあります。

 これらの結果から、以下の点が課題になっていることがわかります。

@認証を受けている農業生産者が一部の生産者に片寄っている。
A減農薬の技術が確立されていない。
B生産における負担は増大するが、販売において値段を高くすると売れなくなる。
C消費者に対するPRが不足している。

【課題を解決するために】

 有機JASや特栽農産物を買いやすくするために必要なこととして“価格対応”、“信頼性を上げる”、“取扱店を増やす”などが挙げられます。また、今後は販路の拡大、ホームページやイベント等において有機JASや特栽農産物認証団体を積極的にPRするなどにより、有機・特栽の普及を図ることが重要になります。認証制度を運用するためには制度の確立だけではなく、実際に認証を受ける農家のメリットを理解してもらい、モチベーションの高揚させるとともに、農産物を購入する消費者へのPR、認知の徹底も必要となってきます。

【地域の認証制度の意義】

 地域の認証制度を設ける意義について考えてみます。既にISOやJASなど様々な国の認定制度がありますが、手続き面や費用対効果の面で課題が残ります。このため、地域の実情や背丈に合う制度を作る必要が出てきました。また、地域の認証制度の確立は国主導から脱却し、自律的な地域づくりを行う社会的な意義を持っています。地域の認証制度により地域の農産物のブランド化が促進され、地産地消や地域の農家や経済の活性化につながっていくものです。

 農家にとってこれらの動向は流通の短縮化や消費者の声が届きやすくなる等のメリットがあり、消費者にとっては新鮮で良質な農作物が地元に出揃い、これを享受できるようになります。地域の認証制度の持つ意味を農家、消費者、流通業者に浸透させていき、地域の農作物認証制度を利用して地域ブランドを確立という目先の利益にとらわれない大局的な視野を地域に根付かせることが必要ではないでしょうか。

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